根拠愛媛県観光振興課がまとめた令和6年の観光統計によると、県内の観光客総数(延べ、県外と県内の合計)は 23,042千人で前年比プラス1.1パーセント、260千人の増加でした。内訳は県外観光客が9,923千人でプラス1.4パーセント、 県内観光客が13,119千人でプラス0.9パーセントです。これに対して観光消費総額は926億円で、前年比マイナス12.1パーセント、 128億円の減少となりました。県外観光客の消費額は849億円でマイナス12.4パーセント、県内観光客は77億円で マイナス9.3パーセントであり、下げ幅は県外客の方が大きくなっています。支出項目別では宿泊費が42億円の減少と 総括されています。宿泊利用施設別の延べ宿泊者数も4,693千人泊から4,373千人泊へ、マイナス6.8パーセント、 320千人泊の減少です。
根拠観光庁の宿泊旅行統計調査の都道府県別確定年間推移表では、愛媛県の令和6年の日本人延べ宿泊者数は3,920,570人泊、 外国人の452,210人泊を含む全国籍計では4,372,780人泊です。県は平成29年の4,522,210人泊をピークに、年により 増減しながら緩やかな減少と横ばいの傾向にあります。本業務の成果指標は15,000人泊と仕様書に明示されており、 これは日本人延べ宿泊者数に対して約0.38パーセント、全国籍計に対して約0.34パーセントに相当する上乗せの規模です。 キャンペーンの対象期間は令和8年11月中から令和9年2月までで、年末年始および休日の前日を除く平日の宿泊に 限定されます。委託期間は契約締結の日から令和9年3月31日まで、委託料の上限は57,030千円(消費税および 地方消費税を含む)です。なお仕様書は委託目的を、物価高騰の影響による観光需要の減少に対応するため、 観光需要の喚起を目的としてオンライン旅行会社と連携した宿泊キャンペーンを展開し、本県宿泊者数の増加を 促進することで、県内観光事業者等の収益改善と飲食・小売など幅広い分野へ経済効果を波及させることと 定めています。事業名の「緊急支援」も、この物価高騰局面への対応という位置づけを指しています。
解釈この二つを重ねると、本業務の難所が目標水準の高さではないことが見えてきます。成果指標の15,000人泊は年間実績の 0.4パーセント弱であり、4か月弱の平日に集中させれば手の届く規模です。問題はむしろ、県では観光客数が増えた年に 観光消費額が減っているという点にあります。客数を増やすことと観光収入を増やすことが、すでに別々の動きを 始めているのです。仕様書が掲げる委託目的は、物価高騰の影響による観光需要の減少への対応を起点として、 県内観光事業者等の収益改善と飲食・小売など幅広い分野へ経済効果を波及させることにあります。物価高騰は 旅行者の側では旅行費用の上昇として、受け入れる側では仕入・光熱費・人件費の上昇として同時に働くため、 「安くして人を集める」対応は、事業者の収益改善という目的と正面から衝突します。人泊数だけを積み上げる 設計では、この目的に対して「目標は達成したが収入は増えなかった」という結果を招きかねません。仕様書が必須要素として指定する松山市以外を含む複数泊、地元消費、県内周遊の三点は、 まさにこの乖離に対する発注者側の処方箋として読むのが自然です。
提案そこで本企画では、成果指標15,000人泊を達成判定の主指標として据えたうえで、宿泊単価と県内消費額の二つを 補助指標として併記します。主指標は仕様書の定義どおり平日宿泊の人泊数で測り、補助指標は対象プランの 平均宿泊単価(税込、1人1泊あたり)と、周遊コンテンツの利用に紐づく県内消費の把握可能な範囲の金額で測ります。 三つの指標は同じ月次の粒度でそろえ、キャンペーン期間の11月、12月、1月、2月の各月末に県へ中間報告します。 報告には対象プランの予約件数、人泊数、平均宿泊単価、宿泊市町の分布、平均泊数の五項目を必ず含め、 前月比と目標到達率を付します。
提案行程は三つの区間に分けて構成します。第一区間は契約締結からキャンペーン開始前日までで、特設サイトの制作、 計測基盤の設定、広告アカウントの開設と県公式管理環境への接続、宿泊予約サイトへの掲載調整を並行して進めます。 この区間には県および県公式サイトの管理運営業務受託者との協議を要する作業が含まれるため、協議の申し入れは 契約締結後2週間以内に行います。第二区間はキャンペーン期間の令和8年11月中から令和9年2月までで、 広告配信と予約獲得を回しながら月次で指標を確認し、配信面と訴求文の入れ替えを月1回の頻度で行います。 第三区間は令和9年3月で、期間全体の実績集計、要因分析、改善提案を業務実施報告書としてまとめ、 紙媒体3部と電子データで提出します。
愛媛県の観光客数・観光消費額・宿泊者数の年次比較
| 指標 | 令和5年(2023) | 令和6年(2024) | 前年比 |
|---|
| 観光客総数(延べ、県外+県内、千人) | 22,782 | 23,042 | +1.1%(+260千人) |
| うち県外観光客数(千人) | 9,785 | 9,923 | +1.4%(+138千人) |
| うち県内観光客数(千人) | 12,997 | 13,119 | +0.9%(+122千人) |
| 観光消費総額(億円) | 1,054 | 926 | ▲12.1%(▲128億円) |
| うち県外観光客消費額(億円) | 969 | 849 | ▲12.4%(▲120億円) |
| うち県内観光客消費額(億円) | 85 | 77 | ▲9.3%(▲8億円) |
| 宿泊利用施設別 宿泊者数合計(千人泊) | 4,693 | 4,373 | ▲6.8%(▲320千人泊) |
| 宿泊費(支出項目別の増減、県全体) | — | — | ▲42億円(冊子の総括による差分) |
成果指標15,000人泊の相対規模(観光庁統計との対比)
| 比較の分母 | 令和6年の値(人泊) | 15,000人泊の比率 |
|---|
| 愛媛県 日本人延べ宿泊者数 | 3,920,570 | 約0.38% |
| 愛媛県 全国籍計 延べ宿泊者数 | 4,372,780 | 約0.34% |
| (参考)愛媛県のピーク年 平成29年 延べ宿泊者数 | 4,522,210 | 約0.33% |
応募者記入欄(自社情報を当てはめる箇所)
自社が過去に実施した宿泊促進事業の平日・休日別の宿泊者数または予約数
なぜ必要か: 平日限定という条件の妥当性は公的統計では検証できないため、自社実績で補う必要があるため
必要な根拠: 自社の予約管理システムの集計、または過去の受託業務の実績報告書
反映先: 企画書 第1章 企画概要および第7章 成果把握