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評価基準の配点から提案書の章立てを決める方法

公募型プロポーザルの評価基準表を提案書の章立てとページ配分に変換する手順を、配点非公開の案件を含む実例で解説する。

評価基準表を提案書の設計図として読む

公募型プロポーザルの評価基準表には、たいてい評価項目、配点、評価の視点の3つが並んでいる。この表は審査員がチェックする採点用紙であり、同時に提案書の目次の元になる設計図でもある。評価項目の数だけ章があり、配点の大小だけページの厚みが決まり、評価の視点の言い回しだけ各章の書き出しが決まる。逆にいえば、評価基準表を読まずに章立てを先に決めると、書きやすい順に章が並ぶだけの提案書になり、審査員がどこで何点を付けているかを追いにくくなる。

評価項目を章に1対1で対応させる

まず評価項目を1件ずつ書き出し、それぞれに提案書の章を1つだけ割り当てる。1つの評価項目を2つの章に分散させたり、逆に複数の評価項目を1つの章にまとめたりすると、審査員から見て「どの章でこの項目に答えているか」が分かりにくくなる。

千葉県 防災研修事業の案件ページの評価基準は、事業の必要性の理解、研修内容、研修の広報、研修の評価、事業推進・運営体制、事業費の積算という技術点5項目と価格点1項目で構成されている。この案件では提出様式そのものが研修の実施方針、広報・プロモーション計画、年間カリキュラム、研修事業の評価という順に並んでおり、評価項目の並びと様式の並びがほぼ一致していた。このように様式の並び順が評価項目の並びと揃っている案件では、様式の順番をそのまま章立ての骨格に使ってよい。

配点比率にあわせてページを配分する

評価項目を章に割り当てたら、次はページ配分である。原則は配点比率に比例させることだが、実務上は次の3つの制約を加える。

  • どの章も最低1ページは確保する。配点が低くても評価項目である以上、無記載は失格リスクになる
  • 1つの章がページ全体の半分を超えないようにする。配点が高くても、材料が薄いまま水増しすると密度が落ちる
  • 表紙・目次・末尾の定型ページはあらかじめ本文ページ数から差し引いておく

配点非公開のときの見なし方

配点が非公開の案件は珍しくない。評価項目と評価の視点だけが公開され、配点や満点は書かれていないことがある。その場合に取れる方法は3つある。

1つ目は、仕様書や募集要項の記述量から重みを推測する方法である。同じ評価項目でも、仕様書側の説明が長く、必須要素が細かく指定されている項目は、審査でも重く見られている可能性が高い。

2つ目は、同種業務で配点を公開している他自治体の事例を探し、その配点構成を今回の企画提案依頼事項に当てはめる方法である。愛媛県 観光需要喚起緊急支援宿泊旅行促進事業の案件ページがこの方法を採った。この案件は評価項目と着眼点のみが公開され配点は非公開だったため、審査基準を公開している他県の同種公募(満点100点、業務遂行能力15点、特設ページ開設運営25点、宿泊プラン造成20点、プロモーション実施30点、経費見積10点)を参考に、企画提案系の項目に配点の4分の3が置かれるという重心だけを取り出し、8つの企画提案依頼事項をそのまま8章に割り当ててページを配分した。推定した数値は提案書本文には書かず、章立ての根拠としてのみ使っている。

3つ目は、参考にできる他事例が見つからないときの方法で、推定そのものを諦めて様式の並び順で章立てを組む。千葉県の案件はこちらに近く、配点欄がすべて空欄のまま、評価基準の並びと提出様式の並びを対応させることで章立てを確定させた。無理に数値を作るより、この方が誤った重み付けをするリスクは低い。

評価の視点を章の書き出しにする

各章の最初の一文は、評価基準表に書かれた評価の視点の言い回しをほぼそのまま使う。審査員は評価の視点の文言をチェック項目として持って読むため、その言葉が章の冒頭に出てくると対応関係が一目で分かる。たとえば評価の視点が「過去の災害を踏まえた課題を認識し、課題に即した研修が提案されているか」であれば、該当する章の最初の一文はその課題認識をそのまま名指しする文から始める。背景説明や自社アピールを先に置いて評価の視点への回答を後回しにすると、多忙な審査員には読み飛ばされやすい。

何を削るか

ページ数には必ず上限があるため、材料をすべて書き切ることはできない。削る優先順位は、配点の低い評価項目の周辺情報、自社の一般的な強みの説明、評価基準に直接対応しない背景説明の3つから先に削る。逆に、評価の視点で名指しされている固有名詞や数値、必須要素として仕様書に明記されている項目は最後まで残す。

配点表から章立てへの変換例

以下は愛媛県の案件で、企画提案系の項目に重心を置くという参考事例の構造を当てはめた章配分である。配点はすべて推定値であり、実際の配点として公開されたものではない。

評価項目配点推奨ページ数
企画概要(業務理解度)推定5%(参考値)1章 企画概要3頁
実施体制推定5%(参考値)2章 実施体制2頁
宿泊キャンペーンの実施推定25%(参考値)3章 宿泊キャンペーンの実施6頁
特設サイトの開設推定17%(参考値)4章 特設サイトの開設4頁
特設サイトへの誘導推定13%(参考値)5章 特設サイトへの誘導3頁
独自提案推定8%(参考値)6章 独自提案2頁
成果把握推定12%(参考値)7章 成果把握3頁
進行管理推定5%(参考値)8章 進行管理1頁

推定値は評価項目ごとの重みの目安であり、合計は100%になりません。ページ数の合計24頁が上限に一致していることを確認する方が実務上は重要です。

企画提案系にあたる3章から5章で13ページ、全体の半分強を配分している。実施体制と進行管理はどちらも要件を満たしていることを示せば足りる章として、合計3ページに抑えている。

よくある失敗

  • 評価項目の言葉をそのまま章タイトルにせず、自社都合の見出しに変えてしまい、対応関係が審査員に伝わらない
  • 配点の高い項目に厚みを持たせるつもりが、実際には書きやすい項目だけページが増え、配点の低い項目が結果的に厚くなる
  • 配点非公開の案件で、根拠のない推測値をそのまま提案書の本文に数値として書いてしまう

提出前に確認すること

  • 評価項目の数と章の数が一致しているか。1つの評価項目が複数章に分散していないか
  • 各章の最初の一文が、評価基準表の評価の視点の言い回しに対応しているか
  • ページ数の合計が募集要項の上限を超えていないか。表紙・目次等の定型ページを差し引いた本文ページで数えているか
  • 配点非公開の案件で、推定値を提案書本文の数値として書いていないか
実例で確認する
よくある質問

FAQ

配点がまったく公開されていない案件では、章立てをどう決めればよいか。
仕様書や募集要項の記述量、提出様式の並び順、同種業務で配点を公開している他自治体の事例の3つを手がかりにする。推定した重みは提案書本文には書かず、社内の作業メモとしてだけ使う。手がかりが乏しいときは、様式の並び順をそのまま章立てにする方が安全である。
評価の視点が複数の文にまたがる評価項目は、章も複数に分けてよいか。
分けない。評価項目1件に対して章は1つにとどめ、複数の視点はその章の中の節や段落で順に answering する。章を割ると評価項目と章の対応関係が崩れ、審査側が対応箇所を探しづらくなる。
配点の高い評価項目に材料が薄いときはどうするか。
ページ数だけ先に確保して空欄で進めず、先に材料を集め直す。材料が間に合わない場合は、配点の低い項目のページを削ってでも高配点項目に厚みを残し、薄い章は事実と数字に絞った短い記述にとどめる。

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